箱根駅伝コースの特異性にマッチした現代シューズ

前回の続きなんですが、皆さんに覚えてほしいのは現代の厚底スーパーシューズは「下腿の消費を抑える」という効果はあるということです。6区のあれだけの傾斜で下るのにうす底シューズで走る選手の負担は甚大でした。

今には語られることがない逸話として、走り終わったあとは足裏の皮膚がなくなったとか、その後1週間は走れないとか、ダメージが大きすぎて大変だったと聞きます。私も実際に経験したわけではないですが、私的に走って下った経験があるのですが、結果7区前に膝を痛めてその後走る予定が全部つぶれましたw
(※2日間で全区間制覇をしようとしていました)

特に足首の負担量は甚大だと思います。接地時の安定性を増すにはふくらはぎを中心とした細かな筋肉の剛性が非常に重要で、それが安定しないとしっかりとした踏み込みとレスポンスの良い走りは実現できません。つまり、いい走りをするためには「足首の剛性を高めて、ブレの少ない接地と足離れを実現する」ことが重要です。

ここに一つ矛盾が生じるのが、スーパーシューズはその剛性を形成するためのふくらはぎへの負荷が軽減される=練習の中では効果的な刺激が作れていない可能性があるということです。

正直、こうした動画をあげる度にまた言ってるわって思う人もいると思うんですが、
その剛性にかかわるふくらはぎの刺激や強化はスプリント性の高い走りや、起伏の激しいコースを攻略するためには重要なトレーニングになるはずです。ただでさえ、スーパーシューズは安定性を欠く傾向があるため、足首が弱いと扱いきれない可能性があるので特別に意識したコントロールやトレーニングも必要になる可能性があります。

そのうえで、厚底スーパーシューズを使うとしっかり踏むことができ、パフォーマンスを飛躍させることができると思うのですが、同時に箱根駅伝6区のような特異性のあるコースでは真価を発揮しますね。

昨今、驚異的な区間記録を形成する裏にシューズの恩恵は間違いなくあります。その代表例は6区だと考えています。

何度も言うようですが「選手の努力の上で成り立つ結果」であり、その下支えをするシューズが選手のパフォーマンスを支えています。その下支えするシューズのパフォーマンスというのは「厚底である」ということです。おそらく、過去薄底シューズで頑張ってきた選手たちよりも残るリスクは軽減されていると思います。その理由としては、あれだけ大胆に下ったとしても残り数キロの平坦を走り切れる余力を作れるようになったことだと思います。

限界突破で走り続けたランナーなら自分の身体的分析は常々できるはずなので、足の消費量と心拍はなんとなくでも把握しながら頭で計算して走っていると思いますが、下りで攻め切る中でもどこか平坦になった瞬間のギャップに恐れて走れなかったと思うのですが、そこをやりちぎっても走れるのは足の消費量が低下したからではないかと思います。

下りは技術的にうまくなれば心肺的な消費量は抑えることができるので、足の解決が重要でした。

また、他の区間と比較しても技術的に大きな差が生まれるので、昔は何となくセンスがあってスピードがある選手を出せばいいという感覚があった区間でしたが、より高い走力とより高いセンスと足首の強さが重要になってきたのかなと思います。結果、全員が60分以内で走り切る超スピード時代に突入しています。

駒沢大学も今年は本当にそつなくレースをこなしたという印象を受けます。結果、復路区間記録でありながら、優勝できないという。そつなく走るだけではだめな時代になりました・・・。何枚看板があるか?とか、そんなじゃなくて全方向対応でだれでもどこでも確実かつ「結果を追う姿勢」を前向きに発揮できる、その結果に向かってビジョンをもって取り組める精神力と研鑚が必要になり、最近思うのは「イメージする力・創造力」も大事じゃないかと思うようになってきました。

慢心的走るのではなく、なぜ走るのか?どう走るのか?どんな結果を得たいのか?そのためには今の自分のポジションとやるべきことはなんなのか?そんな分析をしつつ、走らないとダメなんでしょう。僕らの時代にはそうした教育をしっかり受けたことがないのですが、今の子たちには必要かもしれません。

っと思いました。

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